初心者でも見つけやすい冬鳥の人気者といえば、ジョウビタキは外せません。
見た目の可愛さとお辞儀をするように頭をぴょこっと下げる様子、尾羽を小刻みに振る愛らしい仕草や人に対する警戒心の薄さなどが多くの人に愛されている理由でしょう。
ジョウビタキは毎年11月頃になると大陸から渡ってきて、各地でみられるようになります。公園や河川敷、住宅地でも見かける身近な野鳥です。
オスは頭頂部が灰色で翼は黒く、腹は橙色をしています。メスは全体的に灰色がかった茶色をしていて、腰から尾羽にかけて橙色をしています。オス、メスともに翼に白い斑があり、着物の紋に見えることから「紋付鳥」とも呼ばれています。
鳴き声はヒッヒッという自転車のブレーキ音に似た高く鋭い声と、カッカッという声を発します。このカッカッという声が火打ち石を打つ音に似ていたことから、火焚き(ヒタキ)と呼ばれるようになったといわれています。
縄張り意識が強い鳥で、繁殖期以外は単独で行動します。たまにジョウビタキがカーブミラーや車のサイドミラーに向かって攻撃をしている様子がSNSで拡散されていることがありますが、あれは鏡に映った自分の姿を縄張りを侵す敵だと勘違いして攻撃しているからです。ジョウビタキの縄張り意識の強さがよくわかりますね。
主に昆虫類を捕食して暮らしていますが、ピラカンサの実を好んでいるようで、ピラカンサが植わっている住宅で目撃されることも多いです。
身近に暮らしているため見つけやすく、警戒心もさほど強くない鳥なので初心者の方が観察しやすい野鳥といえます。冬の時期はぜひジョウビタキを見つけて観察してみましょう。